ダレがナンと言っても(^^)
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どれくらい眠っていたのだろうか。 水が滴り落ちるような音で目を覚ました。辺りは漆黒の闇。
一瞬、自分がどこに居るのか分からなかった。
ここはホテルだ。 それにしても真っ暗で何も見えない。 もう真夜中なのだろうか。 相変わらず、水音だけが幽かに聞こえている。
しばらく待ってみたが一向に目が慣れてくる気配がない。 身体を起こしてベッドに腰掛けた。
いくら真夜中だとはいえ、こんなに暗いものなのだろうか。 時折、目を開けているのかどうかさえも分からなくなるほどだ。
ドアや窓の隙間から漏れてくる明かりもなく、まるで塗りつぶされたかのような闇が広がる。
その中から聞こえてくる水音は、忘れるほどの長い間隔をあけて、しかし規則正しく続いている。 いくつも先の部屋から響いているような音だった。
バスルームはまだ使っていない。 洗面所の蛇口もしっかり締めたはずだ。 第一、部屋に戻ってきたときには、水音なんてしていなかった。
自分の部屋なら真っ暗でも歩き回れるし、どこに電気のスイッチがあるか容易に分かるが、何しろ初めて来たホテルでのこと。 部屋の様子を思い浮かべながら、手探りでドアまで進んでみることにした。 廊下へ出れば灯りがあるだろう。
しかし、こんな歩き方は無様だろうな。 鏡に映っていたら笑ってしまうだろう。
暗闇の中で、恐る恐る歩いている自分の姿を想像すると妙に可笑しい。
そんなことを考えていた時だった。
「何かいる!?」
私を取り巻く闇が蠢いているような感覚だった。 それが集まったり離れたり、まるで闇そのものが生きているかのようだった。
相変わらず何も見えないことに変わりはないが、何かの存在だけははっきりと感じることが出来た。
空間がうねり、歪み、何かを形づくるかと思えば、また散っていく。 そしてそれを繰り返しながら私に近付いてくる。
人間? 違う。 どこからか迷い込んだ動物がいるのだろうか? いや違う、そんな小さなものではない。
その正体を突き止めようと、私の海馬は今までに無いくらいフル回転している。 自分が接してきたものの中に、答えがあると思っていたのだ。 いや、答えがあって欲しかった。
こんなものの存在を感じるのは初めてだ。 実際に見たことも、触れたことも無い。
違う。 ひとつだけ、そう、ひとつだけあった。 あのモニターの影・・・。
それを思い出したと同時に、私は生きた闇に取り込まれていった。
押しつぶされるような、同化していくような感覚。 眠りに堕ちていくのにも似た感覚の中で、幽かだった水音だけが次第にはっきりと聞こえてきた。
一瞬、自分がどこに居るのか分からなかった。
ここはホテルだ。 それにしても真っ暗で何も見えない。 もう真夜中なのだろうか。 相変わらず、水音だけが幽かに聞こえている。
しばらく待ってみたが一向に目が慣れてくる気配がない。 身体を起こしてベッドに腰掛けた。
いくら真夜中だとはいえ、こんなに暗いものなのだろうか。 時折、目を開けているのかどうかさえも分からなくなるほどだ。
ドアや窓の隙間から漏れてくる明かりもなく、まるで塗りつぶされたかのような闇が広がる。
その中から聞こえてくる水音は、忘れるほどの長い間隔をあけて、しかし規則正しく続いている。 いくつも先の部屋から響いているような音だった。
バスルームはまだ使っていない。 洗面所の蛇口もしっかり締めたはずだ。 第一、部屋に戻ってきたときには、水音なんてしていなかった。
自分の部屋なら真っ暗でも歩き回れるし、どこに電気のスイッチがあるか容易に分かるが、何しろ初めて来たホテルでのこと。 部屋の様子を思い浮かべながら、手探りでドアまで進んでみることにした。 廊下へ出れば灯りがあるだろう。
しかし、こんな歩き方は無様だろうな。 鏡に映っていたら笑ってしまうだろう。
暗闇の中で、恐る恐る歩いている自分の姿を想像すると妙に可笑しい。
そんなことを考えていた時だった。
「何かいる!?」
私を取り巻く闇が蠢いているような感覚だった。 それが集まったり離れたり、まるで闇そのものが生きているかのようだった。
相変わらず何も見えないことに変わりはないが、何かの存在だけははっきりと感じることが出来た。
空間がうねり、歪み、何かを形づくるかと思えば、また散っていく。 そしてそれを繰り返しながら私に近付いてくる。
人間? 違う。 どこからか迷い込んだ動物がいるのだろうか? いや違う、そんな小さなものではない。
その正体を突き止めようと、私の海馬は今までに無いくらいフル回転している。 自分が接してきたものの中に、答えがあると思っていたのだ。 いや、答えがあって欲しかった。
こんなものの存在を感じるのは初めてだ。 実際に見たことも、触れたことも無い。
違う。 ひとつだけ、そう、ひとつだけあった。 あのモニターの影・・・。
それを思い出したと同時に、私は生きた闇に取り込まれていった。
押しつぶされるような、同化していくような感覚。 眠りに堕ちていくのにも似た感覚の中で、幽かだった水音だけが次第にはっきりと聞こえてきた。
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