ダレがナンと言っても(^^)
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原稿の締切りが迫っている。 あと24時間だ。
しかし、それまで『私』は『私』で居られるだろうか。 あと数時間、もしかしたら数分かもしれない。
この原稿は私にとって、おそらく最後の作品になるだろう。
今にして思えば、友達の編集者がお情けで回してくれた短編の小説がきっかけだった。
若手の作家として泣かず飛ばずではあったが、自分の好きなことが仕事として続けられる毎日は、決して楽ではないが、とても充実していた。
しかし、やはり限界は来る。 たったひとつのことがうまく行かなくなると、あれもこれも、すべてのことが滞ってしまうものだ。
自暴自棄になった私は当然仕事などできる訳もなく、ただ、過去を振り返るだけの毎日を送っていた。
「以前は人気があって部数も伸びてたじゃないか。僕も君の書く小説は好きだったよ。もう一度、以前のような作品を書いてみないか。」
私の様子を見かねた彼の言葉は正直嬉しかったし、できることなら以前の私に戻りたかった。
いや、確かにそうなったのだ。 それも、以前の私以上の『私』に。
あそこで、あんな体験をしたから・・・・・。
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